"A place where people and the community resonate together" - A new form of "place" spreading in Hida Takayama
近年、岐阜県・飛騨エリアでは、“人と地域が交わる新しい場づくり”が次々と生まれています。
先日発表された建築家・藤本壮介氏による複合共創拠点「soranotani(ソラノタニ)」のニュースも、その一つです。
「地域の資源を活かしながら、暮らし・学び・産業が響き合う場所をつくる」という構想は、飛騨という土地がもともと持つ“人と自然の距離の近さ”を再発見するような試み。
観光だけではなく、地元の人や旅人、学生、職人が同じ空気を吸い、互いの時間を共有する──そんな「場の力」が改めて注目されています。
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「庭の宿シリーズ」の飛騨高山での取り組み
この“場”という考え方に共鳴するように、私たちが飛騨高山市で運営している「庭の宿シリーズ」でも、同じ思いを大切にしています。
「草の庭」「紀文の庭」「櫟の庭」の中には、築100年以上の古民家を再生した一棟貸切の宿もあり、
建物そのものの魅力に加え、地域の自然や文化、そこに流れる“時間”そのものを感じていただくための場所です。
例えば、町歩きを終えて宿の縁側に腰かけると、山の匂いと木々の音が静かに包み込みます。
その瞬間、宿という枠を超えて「土地の一部」になったような感覚が広がります。
それは、藤本氏の提唱する“場のデザイン”と通じる、飛騨高山だからこそ味わえる体験かもしれません。
日常と旅が溶け合う時間
私たちは、宿泊そのものを「体験」ではなく「滞在の延長」として捉えています。
旅の途中に立ち寄るのではなく、旅の中心に“暮らすように過ごす”時間を置く。
そうすることで、旅人が地域の人と同じ風景を見つめ、同じ空気を感じることができます。
「紀文の庭」では、昔ながらの梁や土間をそのまま残しながら、現代の快適さをさりげなく添えました。

「草の庭」では、築100年超の古民家を改装した、伝統と風情あふれる一棟貸切宿。檜風呂から中庭の景色を眺め、ゆったりと過ごせます。

「櫟の庭」では、窓から差し込む朝の光が部屋いっぱいに広がり、鳥の声が一日の始まりを告げます。

それぞれの宿は、“人が場をつくり、場が人を包む”関係を育んでいます。
贅沢な静けさ
飛騨高山の町は、四季折々に異なる表情を見せます。
観光地の喧騒から離れ、まるで地元の暮らしの中に溶け込むような静けさが流れます。

仕事を少し早めに切り上げて、家族でゆったりと。
あるいは、友人と時間を忘れて語らう夜を。パートナーとの特別な時間を。
そんな、何気ない時間こそが、旅のいちばん深い思い出になるのかもしれません。
飛騨高山という“場”が育てるもの
今回の「soranotani」のような新たな場の誕生は、
飛騨という地域がこれからどんな未来を描くのかを示す大きな兆しでもあります。
その変化の波の中で、「庭の宿シリーズ」もまた、静かに、そして確かにこの土地の一部として息づいています。
旅人と地域が出会い、記憶と時間が重なり、そこからまた新しい何かが生まれる。
そんな“循環する宿”でありたいと、私たちは考えています。
― あなたの旅が、誰かの暮らしと交わる場所へ ―
飛騨高山で過ごす数日間が、単なる旅ではなく、
“あなた自身の時間を取り戻す場所”になりますように。 どうぞ、飛騨の風とともに、「庭の宿シリーズ」でお過ごしください